言いたいことがなにもない

プライベートな日記です

2016年12月までの面白かった本10冊

ずっとこの半年間で読んで面白かった本を10冊選んでブログに書いている。結構溜まってきた。タイトルに一貫性がない。今回は2016年下半期。

今年読んで面白かった本10冊 - はてなの広告営業 mtakanoの日記(2010年)

今年読んだ本のマイベスト10 - はてなの広告営業 mtakanoの日記(2011年)

今年読んで面白かった本10冊(2012年) - はてなの広告営業 mtakanoの日記

今年読んで面白かった本10冊(2013年) - 言いたいことがなにもない

面白かった本10冊まとめ(2014年1月~6月まで) - 言いたいことがなにもない

面白かった本10冊まとめ(2014年7月~12月まで) - 言いたいことがなにもない

この半年読んで面白かった本10冊まとめ(2015年6月まで) - 言いたいことがなにもない

この半年読んで面白かった本10冊まとめ(2015年7~12月まで) - 言いたいことがなにもない

2016年6月までの面白かった本10冊 - 言いたいことがなにもない

 

1417年、その一冊が全てを変えた

この半年では、とにかくこの本が一番面白かったのではないか。ただ一冊の本、しかも聖書やコーランでもない、無名の本が全てを変えたという話。

それは、ギリシア時代の詩人、ルクレティウスという人が残した「物の本質について」という本だ。聞いたことがある人はあまりいないのではないか。世界は原子でできているといち早くギリシア時代に唱えたデモクリトスの影響を受けた詩人の本だ。

その本はやがて埋もれるものの、神や教会が中心であり、ローマの暗黒期である時代にポッジョというブックハンターがサルベージする。そこからこの本が読まれ始め、次第に「世界は、神が何もないところから作ったものではない、なぜならこの世界は有限なものでできあがっているからだ」と広まっていき、やがて人間中心主義であるルネサンスが起きたのだという。

この本で書かれている話自体も埋もれてしまったもので、最近の科学的検証によって当時ルネサンスの立役者たちが「物の本質について」を読んでいたことがわかった結果、判明したそうだ。

タイトルだけ読んで、それは言いすぎだろう、と半信半疑で手に取った。しかしとてつもないロマンのある話だ。情報が、人の心を動かし、やがて行動を促すものであることを、良くも悪くももっと自覚すべきなのだ。

 

一四一七年、その一冊がすべてを変えた

一四一七年、その一冊がすべてを変えた

  • 作者: スティーヴングリーンブラット,Stephen Greenblatt,河野純治
  • 出版社/メーカー: 柏書房
  • 発売日: 2012/11
  • メディア: 単行本
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申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

自身のコンサル体験談から、様々に開発されるメソッドを駆使しても結局コンサルは意味がない、と言ってしまう。まあそれは言い過ぎで、コンサルはうまく使いましょうということ。

なぜなら大抵ビジネスにおける問題は人であり、コミュニケーション不足が原因なのだ。ツールやメソッドを当てはめて戦略立案をしてみてもやった感でしかない。だから、顧客とコンサルが一緒にプロジェクトチームを作り、社内の人も参加し、声を聞き、一緒に取り組んでいく必要がある。当たり前といえば当たり前なんだけど、これはコンサル批判なのではなく組織をどうマネジメントするかという本だと理解した。

あとはよくある業績管理システムを一刀両断していて面白かった。数字目標をあてはめたら、数字が目的になってそれ以外のもの、それ以上のものが評価できないし、納得感もない。

 

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

 

 

インターネットの次に来るもの

これから世界が変わっていく。例えば、人工知能の発達は不可避だ。今起きている不可避の事象によって、世界がどう変わるかの具体例が書かれている。もちろnこの具体例が全て実現するかはわからないとは言え、現象としては不可避というのがおもしろい。

人工知能にしろVRにしろ、また技術に発展に寄って所有からSHAREにうつることなど、これから起こることを考えて、それにワクワクしながら生きていかなければいけない。

 

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

 

 

赤めだか

立川談春による、立川談志の思い出を中心とした自伝小説。笑いながら泣ける青春の話。文章がとてもうまい。師匠と弟子の交流、落語にかける思い、時代の潮流、臨場感を持って伝わってくる。

 

赤めだか (扶桑社BOOKS文庫)

赤めだか (扶桑社BOOKS文庫)

 

 

反知性主義 -アメリカが生んだ「熱病」の正体-

反知性主義という言葉もブームになり、この言葉だけ見ると知性を軽蔑することであるととらえてしまう。そもそも反知性主義とはアメリカで生まれたもので、知性と権力の結びつきへの反感なのだ。

またこの本はアメリカのキリスト教史でもある。アメリカで次第に権威と結びついた退屈なキリスト教に対して、正しくキリスト教を教わっていない人たちが、大衆受けするようにキリスト教を伝導していったことが始まりだ(お金を儲けることを目的とした人も多かった)。

そう考えると、権威を盲信せず、自分の頭で判断した人たちの行動ともいえる。実際、アメリカでは反知性主義は否定的な言葉ではなさそうだ。アメリカという国を理解する上でも大変面白い。

 

反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)

反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)

 

 

総理

16年安倍総理を追った本。日本は右傾化している気がしていて、自分はそのために安倍政権を全面支持できないが(というか子供なのできっとどんな政権であろうといつまでも支持できなさそうだが。。。)、ただやはり総理ともなれば国のことをとにかく真剣に考えていることがわかる。

政治家がどのような仕事をしているのか、もちろん断片的なニュースで追うことはできるものの、こうやってまとめて読むと、その姿が捉えやすい。

まあでもこの本を読むと、アンチ安倍、アンチ麻生派も彼らのことを好きになってしまうのではないか。。。というくらいに日本を思う熱い人達として書かれている。すごく面白い本なんだけど、その面白さを表明しづらい本だ。 。。

 

総理 (幻冬舎単行本)

総理 (幻冬舎単行本)

 
USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったか?

USJの元CMO森岡さんの本は結局全部読んだ。この本は最初の一冊だが、他2冊がマーケッターに向けた森岡さんの講義だとすると、これはUSJがV字回復するまでの物語である。 だからこれはマーケティングメソッドが書かれているけれど、V字回復までの手に汗握るワクワクする物語として興奮して読んでしまった。 

 

ワーク・シフト

自分が日々働いている中でも、自分にしろ世間にしろ、働き方が変わりつつあることを感じる。少し前に出た本だが、この本で書かれていることを実感できつつある分、さらに興味深く読めた。

<第一のシフト>は、一つの企業の中でしか通用しない技能ではなく、高度な専門技能を磨き、自分を差別化するために「自分ブランド」を築くこと。<第二のシフト>は頼りになる少人数の盟友グループと、イノベーションの源泉となるバラエティに富んだネットワーク、そしてストレスを和らげるための打算のない友人関係という、三種類のネットワークをはぐぐむこと。<第三のシフト>は、大量消費主義を脱却し、家庭や趣味、社会貢献などの面で充実した創造的経験をすることを重んじる生き方に転換すること。 

第三のシフトはここ数年の流れであった物質よりも心を重視した優しい社会の到来が近づいていることをしめしているようにも感じていて、これを目指していきたいものの、ここ半年で起きている世界的な分断が気になっている。

 

ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

ワーク・シフト ─孤独と貧困から自由になる働き方の未来図<2025>

 

 

全裸監督 村西とおる

村西とおる監督の、とてつもない人生の話。とにかくためにはならなくておもしろい。日本のある時代の息吹、熱狂、それを駆け抜けていった人生の熱が伝わってくる。役には立たないけど最高。というか役に立たせることが目的で本なんか読んでない。 

 

全裸監督 村西とおる伝

全裸監督 村西とおる伝

 
人事の超プロが明かす評価基準

評価の本質とは、影響力であるという。そう考えると、自分の仕事がどうすれば評価されるのかがわかる。さらには著者が自分の経験を元に構築した、日本の企業文化にあった普遍的な「45のコンピテンシー」を提示している。

自分のステージが上がった時に、自分自身とともに評価の仕方などを振り返るために読み返したい本だと思った。

 

人事の超プロが明かす評価基準

人事の超プロが明かす評価基準

 

 

今年の後半は、考えることがいろいろあって本を開いてもなかなか集中できず、頭に入ってこなくなってしまった。来年は改めて、積極的に本に向き合い直したい。