青春の三冊
はてなブログにて小学館さんのキャンペーンで、青春の一冊を紹介するお題が始まりました。というわけで3冊紹介します。
特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
ブランキー・ジェット・シティ「ワイルド・ウインター」
大学時代、ブランキー・ジェット・シティやミッシェル・ガン・エレファントの全盛期だった。
このワイルド・ウインターはブランキーのファンクラブ会報をまとめた本。けれども音楽的にブランキーを解剖した本ではなく、ひたすらメンバーの日常を追ったもので、メンバーの普段のインタビューで構成されている。
レコーディングでロンドンに行ってもロンドンのスタジオの話なんかせずにパラグライダーに乗った話なんかをしている。ブランキーのメンバーは発言も行動も破天荒なので、エピソードがとにかく笑えて面白い。ナンパに失敗した話とか、変なサングラス買った話とか。
何人かの友達に「電車の中で読んではいけない」と行って貸したけど、みんな電車の中で読んで吹き出して後悔した、と言っていた。
タイトルがかっこいいけど、とにかくどうしようもなくて笑える本。友達の評判から、ブランキーを知らなくても面白いらしい。 そんな笑えるブランキーはありのままの姿でかっこよかった。
ワイルド・ウインター―ブランキー・ジェット・シティインタビュー集 (双葉文庫)
- 作者: 高尾知之
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2001/08/07
- メディア: 文庫
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宮沢賢治詩集
土田世紀の編集王というマンガに、宮沢賢治の「告別」という詩を抜粋したシーンがあり、それがあまりにも美しくて、それから宮沢賢治の詩を読むようになった。
この詩集というよりも、「告別」という詩があまりにも好きすぎて、ことあるごとに読んでいた。孤独に努力する人は孤高であると励ます詩で、自分もこうならなければと思っていた。寂しいときによく読み返していた。
詩というものは読めば読むほど、自分の中に染みこんでいく気がする。読み返すとその頃を思い出す。
中原中也詩集
自分にとって宮沢賢治はストイックでブッダのようなハードコアで、中原中也はパンクロックやグランジみたいなイメージだった。 中原中也はとにかく汚れて青臭い。青臭くて刺々しくて、極めて純粋。自分に子供が産まれた今になって、また一層中也が我が子と死別した後の達観した詩を思い出すようになった。
ものすごく中二病なことに、宮沢賢治と中原中也が好きだったので、彼らが生まれ育った岩手県と山口県に一人旅したこともある。でもそうすることで、ああこういう寒々しい風景からあのような物語や詩が出来たんだな、と実感するものもあった。
ブランキーのくだらないエピソードから、賢治や中也の詩まで、全てが自分の青春時代と切り離せない。それらの言葉を思い出せば、10数年前の自分が地続きで隣にいる気持ちになる。