言いたいことがなにもない

プライベートな日記です

恐怖!!新大阪駅で靴下に沿ってボールペンでグルグル書いて欲しいと言われる!

新大阪駅にて。まだ肌寒い今年の3月。出張先から東京に帰ろうと、新幹線の構内に入った。新大阪駅の待合室は大抵混み合っているが、奇跡的に席が一つ空いていた。座ってしばらくすると、隣の男性が話しかけてきた。不明瞭な喋り方だった。

聞き取りづらかったのだが、よくよく聞くと「靴下がずり落ちてしまうので、ボールペンで靴下がある位置にグルっと線を書いてもらえませんか?」と仰っているようだ(意訳)。


つまりくちゴムに沿って。ボールペンでぐるぐる線を書いて欲しいということのようだ。意味がわからないし、その上聞き取りづらいから何回も聞き直した。「本当にいいんですか?」と聞くと、「いい」と言う。「汚れるからやめたほうがいいですよ」と言うと「書いて下さい」と言う。「ボールペン持ってないです」と言うと、かばんに入っていたボールペンを手渡された。

しょうがないからグルーッと一回り書き、これ実は聞き間違いで怒られたりしないかな、と思って彼を見たところ「もっと濃くお願いします」と言われた。まあまあ正解だった。ふくらはぎのあたりをボールペンで強めにグルグルと書いた。「これでいいですか?」と聞かれると、「もっと」と言われたのでさらにグルグル書いた。

 

そのうちに、「メッセージを書いて下さい。あなたが今思ったことを」と言われた。宗教の勧誘か?ふくらはぎに「元気で頑張って」と書いた。自分にそう思ってた。

彼は「元気で頑張って」と読み上げて微笑んだ。この時までは、外国の人が日本に来た記念に、日本語で文字を書いて欲しいのかなと好意的に解釈をしていた。違った。読める。「もっと書いて下さい」と言われたので、膝に「OK」と書いておいた。満足そうな顔をされていた。つるっとした膝だった。元気で頑張りたい。

その後このようなやり取りをした。

「あなたは靴下がずり落ちても気にしませんか?」
(僕)「気にしません」
「今(あなたの靴下は)どのあたりにありますか?」
(僕)「足首のあたりです」
「見せてもらえませんか?」
(僕)「(自分のパンツの裾をあげて)こんな感じです」
「あなたも書きますか?」
(僕)「結構です」

 

そんでこれ、周りの人からどう見られてるんだろうなーと顔を上げてみたら、すべての人々が急に見なかったふりをしていた。

ちなみに僕がボールペンを書いている間、彼はずっとスマホをいじっていた。失礼である。スマホをこっそりのぞいたところ、ものすごくゴテゴテとして金色のスマホケースで、角が生えていた。画面は、よくわからない英語のような言語の羅列が並んだメッセージアプリ風が表示されていた。

 

もう新幹線きたんでーと言って、早めにホームに向かって、少し寒いけど15分くらい立って新幹線を待った。待っている間、混乱する頭でこれらのやり取りを社内のチャットツールに書き込んだところ、「こわい」という声が多数寄せられて、「ああオレの感覚は正常だったんだな」とホッとした。東京に帰ってお土産の551の肉まんを食べた。現実に戻った。実話。おわかりいただけただろうか。