インターネットは知を拡大しているのか
えふしんさんとモーリさんの記事が話題になっていた。
Facebookのタイムライン制御に対する不信感(えふしん) - 個人 - Yahoo!ニュース
Facebookはフィードを制御する。信用されようが、信じられまいが - in between days
ここでは友人の重きをFacebookがアルゴリズムで判断することの嫌悪が語られている。
そういえば、とフィルターバブルの話を思い出した。
イーライ・パリサーがTEDで講演したり、「閉じこもるインターネット」という本で用いた言葉だ。
イーライ・パリザー:危険なインターネット上の「フィルターに囲まれた世界」 | Talk Video | TED.com
Facebookのタイムラインの制御やGoogleのパーソナライズド検索によって、僕たちが見ている世界は「フィルターバブル」という世界に閉じ込められてしまう。
例えは悪いけれど、ネット右翼のキーワードでばかり検索していると、パーソナライズドされてそのような検索結果に変わっていく。Facebookでもそういった傾向の友人が多かったりそのような記事をクリックしていると、ニュースフィードもそのように最適化されてしまう。
ネットで色々な情報にアクセスできるかと思いきや、自らの興味関心に最適化された世界に閉じ込められてしまっているのかもしれないのだ。
閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
- 作者: イーライ・パリサー,Eli Pariser,井口耕二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: 単行本
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インターネットの登場により、膨大な量の情報にアクセスできるようになった。だからインターネットは人の知を拡大した。と思いきや、それはとても偏ったものかもしれない。
そういえば、ネットバカという本もあった。
本題はそれではないけれど、昔は本を参照して前後の文脈を読みながら調べていたものが、ネットでは細切れの短く切り出された情報にあたるために、誤った理解、誤った情報を信じる結果になってしまう、などとも書かれていたはず。
情報といえば、バイラルメディアやキュレーションメディアが流行ってきている。
バイラルメディアはソーシャルメディアで拡散されることを目的とし、キュレーションメディアはソーシャルメディアで拡散されたことがまとめられる。
だがバイラルメディアには、デマやエイプリルフールを元ネタとした記事が掲載されていることも目にする。これがバズるとキュレーションメディアで配信される。時に明らかにステルスマーケティングの記事も配信されていて、これらが多くの人にシェアされ支持された価値のある記事のように見えてしまう。
細切れで文脈を失った情報が身内でシェアされ、さらにそれがバイラルメディアにのっていく。さらにその情報がソーシャルメディア経由で飛び込んできたり、キュレーションメディアで配信される。何が正しい情報なのかは主観だけれど、人の知を拡大している状況とはいいづらいのではないだろうか。