言いたいことがなにもない

プライベートな日記です

FIXされていた人生のこと

ある程度の年齢が過ぎると人生がFIXされたものになるのです、と言われた。

そのときは、僕には実感が湧きません、なぜならこれまでフリーターになったり、結婚して子供ができたり、今はベンチャー企業で一年ごとにやることが変わっていったりしているからかもしれません、と答えた。
そうしたら、それはFIXしていないことがFIXしているんですよ、と言われた。
その時は、分かったような気もした。でも心のどこかでレトリックのように感じた気もする。ずっと一年先の自分がどうなっているかは想像もできずにいたのが、最近ようやく子供ができて先の展望を考えられるようになった。それくらいに自分の人生が定まっていないと感じる。

それから少し時は過ぎて、興味を持ったとある資格について、取得する方法を色々と調べていた。その資格を持ちつつ今の仕事に応用させれば、新しい価値で世の中に貢献する仕事ができるのではと思ったのだ。だが、資格の取得には約一ヶ月の実習が必要だということが分かった。
一ヶ月仕事を休むのはかなり難しい。つまり僕がその資格を取得して、新たなチャレンジができる可能性はこれからも非常に低い。
けれどもこれが5年前ならどうだっただろうか。

その資格を取ろうと思ったのには、他にもいくつか理由がある。一つには、専門的なスキルがないというコンプレックスがある。

けれども、専門知識をひたすら積み上げて鋭くさせていく、そんなFIXされた人生を、もう俺は送ることができないということに気づいた。
その方の仰る意図とは違ったかもしれないが、ずっとこんな風に悩みながら居場所はないかと生きていくんだなと思った。

15年ほど前までは、特別なチャレンジをすることなく、安定と安穏の満ちた心穏やかな生活を送ることを望んでいたというのに。どこかでそうはなれなくなった。