言いたいことがなにもない

プライベートな日記です

娘の風邪と手作りのプリン

母親が出て行って娘が大泣きした、と書くと事実だけど事実ではなくて、別に奥さんが僕に愛想をつかせて出て行ったということは今のところは無く。ついに奥さんも仕事に復帰した。お互いの仕事の時間の関係で、僕が保育園に連れて行き、奥さんが迎えに行くことになる。そうすると、奥さんが先に家を出て行くことになり、娘はママが出て行ってしまうと泣く。

でも案外すんなりと泣き止み、むしろ外に出たいとすぐに玄関に行きたがる。靴下を見せると嬉しそうに寄ってきて、履かせてくれとゴロンとする。
朝の洗濯と洗い物を終え、僕の外出の準備もできたら、保育園まで一緒に歩いていく。たった5分程度だけど、マンションの入り口のささやかな坂を慎重に下ったり、草花を指差したり、すれ違う人にバイバイと手を振ったり、娘には冒険なのだろう。保育園で離れるときは、やっぱり泣く。

そうこうしているうちにゴールデンウィークに入り、合間の平日に有給をもらったのだが見事にこのタイミングで娘が38度の熱を出した。保育園では預かってもらえないので、有給は自動的に看病のためのお休みになった。

どんなに熱があってもニコニコと元気に歩き回る。あんまり体力を使うのも良くないので、ベビーカーに乗せて散歩することにした。栄養がつくご飯でも食べさせようと近所のデパートで野菜を買った帰り、通りすがりのおばさんに「この子の靴、片方ないけどいいの?」と言われる。決してよくはない。いつの間にか靴を脱いで捨ててしまったに違いない。デパートの中をベビーカーを押しながら探し回り、なんとか見つけることができた。その時すでに娘は寝ていた。

そうして三食のご飯を作ってあげたり、おやつにプリンを作ってあげたり、洗濯したりとしているうちに、1日は大体終わった。特に何もできない有給だった。プリンは砂糖をあまり入れずに作ったが、マンママンマと目を輝かせて食べていた。その甲斐もあってか、1日で熱は下がった。

翌日、奥さんと娘は二人で群馬の実家に帰った。当然愛想をつかされたわけではない。この機会にと、見たかった映画を見たりして過ごしているが、ふと娘のおもちゃが目に入ったりすると、部屋の中に奥さんと娘の残像が見える。一人で気ままにやっているつもりが、娘にプリンを食べさせたらニコニコしていた姿を思い出してしまう。

僕が子供の頃に風邪をひくと、母親がりんごのすりおろしを作ってくれた。あんなに素朴な味なのに、風邪をひいた時だけは特別な味に感じた。娘にとってのそれはプリンになるのかもしれない。