言いたいことがなにもない

プライベートな日記です

ピクシーズの23年ぶりの新作Indie Cindyが最高にカッコ良かった

ピクシーズの23年ぶり(!)のニューアルバム、インディシンディが最高にカッコよかった。もう50歳を超え初老に差し掛かる人々なのに、あまりに若々しく変態的なアルバムだ。

 
ちなみにピクシーズとはその名の通り、妖精のようなバンド。もしこの写真がハゲとデブとおっさんに見えたなら、それは心の汚れた大人になってしまったということだ。

f:id:mtakano:20140513223026j:plain

 ちなみにボーカルギターのブラック・フランシスは、左から3人目の、ごくわずかに体格がよい妖精です。
 
Indie Cindyはピクシーズが再結成してからやっとのことで発売された、10年ぶりの新曲の数々。待ちに待った作品だ。
 
ピクシーズ解散後、ボーカルのブラック・フランシスは、多作過ぎというくらいにソロアルバムを発売していた。それがピクシーズを再結成しても新曲を出さなかったのは理由があったのだろう。再結成後も、ソロの新曲は変わらずにリリースしていた。そういえばピクシーズ再結成後に発表されたライブDVDのインタビューの中で、フランクは「俺は新曲を作りたいが、みんなにその気がない」といったような愚痴をこぼしていた。

その後、ベースのキム・ディールの突然の脱退を経て、新曲のリリースが始まった。まあ本当に色々あったのでしょう。

 
そして新曲は変わらずにピクシーズだった。それどころか、さらに貫禄が加わった。解散前ラストアルバムとなった「世界を騙せ」はフランクのソロに近く、ハードコアなギター中心の勢いはあるアルバムで、ともすれば一辺倒に聞こえたが、いい意味でこの「世界を騙せ」に一番近い気がする。このアルバムをバンドサウンドでやったらこうなった、というような。
 
ピクシーズのいいところは、ヘンテコなギターサウンド、ドスの効いた声と奇声を織り交ぜつつ展開する歌声、ハードコアさと激烈ポップなメロディが同居する不思議な曲調、予測もつかない曲展開、独特の言語感覚と韻のリズムなどにある。このアルバムでも全てが健在。
 
一曲目の「What Goes Boom」。これが実に変態的でカッコよすぎる。ギターのイントロと、キレキレのシャウトで始まる。フランク、あなた何歳ですか…。変態で暴力的なギターリフに変拍子、ドスの効いたボーカルと、ポップなメロディセンスが全て同居していて、これこそピクシーズでしかできない音楽。

歌詞を見ると、日本語の意味はわからないけれど、とにかく言葉のリズムがすごい。HipHopとはまた違う韻。

Pixies – What Goes Boom Lyrics | Rock Genius


PIXIES - WHAT GOES BOOM - YouTube

 

その他、爽やかなギターポップのような「Greens and Blues」、「What Goes Boom」のようにポップなメロディーと暴力的なギターが同居する「Indie Cindy」、往年のピクシーズを思わせる「Magdalena 318」、スピード感がありパワーの溢れる「Snakes」など、最高に変態的で貫禄のあるカッコイイ曲が多い。 

インディ・シンディ

インディ・シンディ

 

もちろん、最高傑作と呼ばれる「Doolittle」のような、全曲通して何が出てくるかわからない、革新的でびっくり箱のようなアイデアに満ち溢れた作品ではない。でもこの新作も十分に若々しい。初老を迎え、そして再結成から10年を経てこれだけの瑞々しい作品が出来上がったのなら、早くも今後の新曲に期待していきたい。

ドリトル

ドリトル